朝日新聞のシンガポール特派員メモによると、あのグローバルキャラクター「ドラえもん」がシンガポールで大変なことになっているらしい。
旧正月向けのマクドナルドのキャンペーンで、十二支に扮した「ドラえもん」のぬいぐるみを、1月1日から週に3種類ずつ店頭で売り出した際に、イスラム教徒への配慮から亥年にあたる豚をキューピッドに代えたことで大苦情の嵐が「ドラえもん」を襲ったという。
そもそもこのキャンペーンは、ほとんどの店で品切れになるほどの大盛況。大ヒットとなっている。しかし、亥年の子供たちから、「自分の干支がない」とか「十二支が全部そろわない」といった苦情が寄せられたのだ。
そのため、マクドナルドは地元の新聞に「心からおわびします」との謝罪広告を出す羽目に。その影響の大きさがうかがわれる。
人口の7割を占める華人は、自分の干支を大事にすることもあり、伝統文化への侵害と捉えられた面もあるようだ。
イスラム学者によれば、豚を食すのは禁じているが、豚のぬいぐるみ自体はイスラムの教えに反するものではないらしく、少し過敏にとらえ過ぎての騒動ということらしい。
シンガポールで「ドラえもん」が大変な目に会っているのだ。
私は、21世紀のビジネス環境の大きな変化を「デジタル化」「フラット化」「グローバル化」と捉えているが、その中での「グリーバル化」を考える時に、この「ドラえもん」の騒動は参考になる。
「グローバル化」でビジネスを考える時に、その対象の人の人種、民族、宗教、文化の違いをリスペクトして対応しなければならないと考えているが、そのことの具体的な方法をこの一件が教えてくれる。
そのリスペクトは一方的に見るのではなく、ある意味多面的、さまざまな角度から見なければならないという教え。
この「ドラえもん」の場合で言えば、イスラムから考えると同時に華人側からも考えなければならなかったということだ。それぞれは宗教も違い、さらには文化風習も違うからだ。
さらには、そのイスラムについてもより深く、その宗教観を調べれば、このような混乱を招かなかったということなのだ。
このケースではいかに、「グローバル化」でビジネスを世界に拡大させる時に、その国のさまざまなリスペクト対象に神経を使う必要があるかがうかがわれる。
そして、全く別角度から見れば、いかに「ドラえもん」がインターナショナルのキャラクターとなっているかを再認識させられた。「ドラえもん」のすごさゆえの騒動でもある。



