ヒットコンテンツブログ

吉田就彦のヒット学

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「ヒットコンテンツのメカニズム」その5

NECが運営するビジネス情報サイト「Wisdom」にて
Wisdomブログ「明日のビジネスを創りたい人へ ビジネスにおけるキャラクター活用」
対談シリーズとして掲載されているインタビュー内容です。
インタビュアーは野澤智行さん、他です。

1.ヒットコンテンツの共通法則
2)ヒットコンテンツを手がけて得られた発見 -角川映画との出会いが始まりだった-

野澤 :ビジネス論でも何でも、やっぱり何かをやる人は30代前半ぐらいまでに何か一つでも目に見える成果をやり遂げないと、なんて書かれてますよね。40代になってから突然目覚める人は、いるかもしれないけど珍しい。体力とか感性がついていけないでしょうし。

【キーワード1-⑦:25歳で「幻魔大戦」初ディレクター~角川春樹氏との出会いの原点】

吉田 :40代でブレイクするのは、ある意味潜在的に天才的な方ですね。僕なんかは敢えて言うと、25歳でチェッカーズが当たると頭に乗るわけです。実はこの頭に乗るという感覚が、当てるとかに凄く重要なんです。自信がないと思い切り出来ないですよね。思い切り出来ないと当たらない。とりあえずちょっと試しにじゃ当たらない。思い切り必死にやって初めて当たる。普通、失敗ばかりしていると思い切りやれないものです。


吉田 :僕の場合、一番最初にやった仕事が、角川春樹さんがプロデュースした「幻魔大戦」というアニメ映画の音楽でした。あれがディレクターとしての最初の作品です。といってもディレクションは何もやっていなくて、スタジオでお弁当を手配していただけだけど(笑)、それが僕のディレクターとしての名義の最初の仕事でした。
なおかつ物凄く複雑な作品で、キース・エマーソンが音楽監督をやって、ローズマリー・バトラーが歌を歌い、青木望さんというアニメ音楽の巨匠がBGMの作曲と編曲を担当し、佐渡國鼓童が太鼓を担当、といった複雑な内容の音楽サウンドトラックの制作でした。その担当をペーペーの新人ディレクターだった自分がやることになって。見るもの皆新しくて面白かった。

野澤 :自分はちょうど大学入試後の春休みにこの映画を見に行って、いろいろ目新しく、内容も凄かったことを覚えてます。高校生の時に原作を読み、角川書店から出た「バラエティ」の増刊も買っていたし。大学に入った後も、新宿のオールナイトで見直したほどハマってました。

吉田 :それが僕の最初の制作の仕事で、角川春樹さんのおかげで、主題歌がオリコン売上ベストテンに入った。当時は英語の歌が上位に入るなんてありえなかった。考えられないことを経験させてくれたのが、角川春樹さん。そういう人のやり方を見ていろいろ覚えました。

野澤 :キャラクターデザインも、わざわざ原作漫画を書いていた石ノ森章太郎さんでなく、当時まだ知る人ぞ知るカルト的存在だった大友克洋さんの絵に変えて、すごくインパクトがありましたね。

稲葉 :石ノ森章太郎の漫画を読んでいる人は、あれ?と思って。

野澤 :全然違う現代風のキャラになって、自分はワクワクしましたが、原作ファンにとってはショックだったかもしれないですね。吉田さんが先ほどヒットの法則でおっしゃられた通り、それこそミスマッチも甚だしかったです。

吉田 :角川春樹さんのおかげでチェッカーズも生まれるし、その後のヒットも、角川さんに習ったことを利用して。
「幻魔大戦」の後に僕もサポートで参加した「時をかける少女」が公開の半年前から長崎、九州、と地方からエリアマーケティングを広げて徐々に人気を高めていって、最終的に東京をゴールに全国展開しました。当時のアイドルを売り込むパターンは逆で、テレビでいきなり全国レベルまで持ち上げるやり方が一般的だったんですが。まったく反対のパターンを原田知世ちゃんでやって、チェッカーズもそうやりました。

稲葉 :通じるところがある。

吉田 :奇跡のように上手くいきすぎたチェッカーズは、3人のコアスタッフが売ったんです。一人はもう亡くなっちゃったんですがポニーキャニオンの先輩の宣伝マン。もう一人は今僕と農業や環境系の仕事を一緒にやっていて、チェッカーズのマネージャーをやった人間。この3人のトロイカ体制で、芸能界とかメディアとかと必死になって格闘していました。あんなのはおそらくもうないでしょうね。それがたまたま25歳でそういう経験をさせてもらったので、いろんなことが自分でも見えたり、ヒット作りのノウハウを体得出来たのだと思います。チェッカーズの成功へのノウハウは、実は角川さんから学んだことも大きかったですね。
角川さんは、「アイデアをカタチにする仕事術」という本にも書いたけど、『ヒットを生むプロデューサーの7つの能力』の二つ目、世の中の動きや物事の本質がわかる「理解力」の達人でしたね。

<続く>

※この対談は、NECのビジネス情報サイト「Wisdom」のブログ「ビジネスにおけるキャラクター活用」で掲載した内容を、了承の上で再掲載したものです。

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吉田就彦

Authour:
株式会社ヒットコンテンツ研究所
代表取締役 吉田就彦

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