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吉田就彦のヒット学

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2010年4月アーカイブ

先週の金曜日に1日かけて浜松・天竜に「新月の木」を見に行った。

「新月の木」とは、新月のときに伐採した木のこと。
虫がつかず、腐らず、カビず、割れず、長持ちする木として、古来の人類の知恵であったらしい。

楽器のバイオリンのストラディバリやアルプスホルンなどのよい楽器には、この「新月の木」を使う。あの世界最古の木造建築物、奈良の「法隆寺」もそうだという。

湘南台から車で3時間半。天竜川のほとりの素晴らしいロケーションの鰻屋で鰻を材木屋のマルホンさんにごちそうになっていよいよ「新月の木」見学。

マルホンとも関係があるようで、鰻屋で「天竜T.S.ドライシステム協同組合」の榊原理事も一緒に食事。

その榊原さんの案内で、まずは「天竜T.S.ドライシステム協同組合」の事務所がある天然乾燥現場に。

大きく太い丸太の数々。それらは全部、切った日時とどこの山から来たものかがバーコード付きで管理されている。誰が切った、誰の山のものかが一目でわかる。

以前、木こりツアーで息子さんが切った木をどうしても欲しいと来られた親御さんのリクエストに、何千本の丸太の中からその木を見つけ出したこともあったらしい。それほど個体管理がしっかりしている。

農作物では付加価値としている誰が作ったものかの安心感を、ここでは1本1本の木に榊原さんが答えている。山から切り出した丸太、しかも、人工乾燥を行わず天然乾燥にこだわった大切な木を大事に管理しているのだ。

そこには、榊原さんが林業研究センターで加重実験した木もあった。6トンという重量まで耐えられる木だという。天然乾燥の木はしなやかで弾力性があり、割れにくい。

人工乾燥だと、それなりに堅いが、いわば炭になってしまうらしく、ボキっと折れてしまうらしい。硬度という一つの指標で工業製品のように木を評価するのではなく、木である優位性をもっと評価してほしいと榊原さん。

人工乾燥では木の中に割れが生じやすいという。もちろん、天然乾燥はそれが少ない。

事務所におじゃました際に、面白いことを実験した。

「新月の木」と「満月の木」の板にそれぞれコップの水道水を入れて、7~8分ぐらい置いておいた。その水を飲み比べてみたのだ。

なんと、「新月の木」の水は、明らかにまろやかになっている。うまい。何故だ!不思議だ。ただ、その木の板の上に乗せていただけなのに。

このことは、榊原さんはお酒の杜氏さんに効き水を頼んでお墨付きをもらっている。明らかにうまいのだ。

本当に味が変わっている。思わずうなると同時に、「新月の木」の神秘性と効能の一端を見せつけられた。本当になにかが違う。「新月の木」

そして、いよいよ、切り出しの現場へ。これは次回。

「新月の木」という木がある。
これは、木を伐採するときに新月のときに伐採した木のことを言う。

先日偶然このことを聞きつけて今はまっていて、会う人会う人にこのことを言っている。
昨日は、Twitter仲間である広瀬香美さんに、「新月の木」という曲を作ってもらうようにお願いしてしまった。歌になる話なのだ。

そもそもこの「新月の木」は日本でも、ヨーロッパでも、先人の知恵としての「木」の生かし方として長い歴史がある。

先日見たテレビ番組によると、アルプスのチロル地方のあの大きな木製パイプホルンやストラデバリウスなどの素晴らしい楽器は、みな「新月の木」で作られたものらしい。さらには、日本でもあの木造建築世界最大の法隆寺も「新月の木」を使って建てられたものだという。

なぜ、新月の木が素晴らしい木材なのか。

どうやらそれは、太古から行われている地球の自然界の法則に由来する。
新月は、陰陽の考え方では「陰」。すなわちお休みである。なので植物は自分の中にある栄養素や水分を外に出しているらしい。

京大の先生が調べたところによると、「新月の木」は、満月の木に比べて、水分やでんぷん質等の栄養素の含有量が少ないために、木材となったときに、虫が付きにくく、腐りにくく、カビが生えにくく、変形しにくく、さらにしまった木の味わいがあるという。

さらには、その無垢の木の家はアレルギーとは無縁だ。

伐採後、枝葉を付けた状態で枯らす「葉枯らし」が、その木をさらに緩やかに乾燥させるらしい。

科学的に証明された水分と養分の影響から一々うなずける。

そんな「新月の木」は、森という豊かな恵みを、人間がありがたく使わせていただくときになにかを教えてくれる。自然に逆らわず、自然とともに生きていくという教えだ。まさにエコの本質である。

かたや現在、日本の林業は壊滅的な状況にある。安い外材の流入と後継者不足、森では食えない生産構造。もしかしたら現在トレンドになりつつある農業の比ではないぐらいだ。

森に人の手が入らなくなり荒れれば、川が荒れる。そして、それは海を荒らす。海が荒れれば、島国日本、日本が荒れる。森は国土の根幹だ。生物多様性の源でもある。

その林業の危機的な状況を、この「新月の木」で打破しようと努力している人たちがいる。

「新月の木」という付加価値をつけて生産者には継続可能なお金が入り、中間の卸や商社を介さないで、施工者や工務店をつなげ、利用価格をおさえる試みだ。

しかし、やはり多少は割高になるようだが、付加価値として、頑丈で長持ちする家が手に入る。

そんな試みをする団体の一つが「天竜TSドライシステム協同組合」。静岡県浜松にある。

また、「新月の木」の研究・普及のためのNPO法人もある。
NPO新月の木国際協会

来週、実際にその「新月の木」の伐採場や伐採後の「葉枯らし」の材を見に行く予定。

なんか燃えてきた。

吉田就彦

Authour:
株式会社ヒットコンテンツ研究所
代表取締役 吉田就彦

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