ヒットコンテンツブログ

吉田就彦のヒット学

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2010年3月アーカイブ

本日の日経新聞最終面文化欄によると、落語の桂小春団治さんの落語ワールドツアーのことがあった。

海外公演が今年で10年になるということで、以前のこのコラムでもニューヨークのRAKU-GOを取り上げた記憶がある。今回は、その節目として、国連本部とあの名門カーネギーホールが舞台となった。

国連本部では私は30年前に「すがはらやすのり」さんと一緒にニューヨークツアーに参加させていただき、本部地下のホールでコンサートをやったことがある。そこでやったのだろうか。もっとも私の場合は、当時新米ですがはらさんに連れて行ってもらったという感じだが。

このRAKU-GO講演。盛況だったらしい。

しかも、さまざまな国の言語の字幕を入れて行ったらしい。

この10年の講演で、米国、フランス、ドイツ、ロシア、ブルガリア、ベルギー、ノルウェー、韓国、フィンランド、トルコ、カナダ、そして、中国語とスペイン語の字幕も今回の講演でできたという。

笑いは当然インターナショナル。
しかも、もっとも平和で、メッセージ力が強く、人間に未来を感じさせるものだ。

そんな笑いの日本伝統を発信続けている「桂小春団治」さんの活動。

素晴らしい。

本日の日経新聞によると、ディズニーの日本法人が劇場部門とDVD配給部門を統合するという。

新作のブルーレイディスクがSPEやワーナーでDVD並みの価格にするという大きな記事の下にあった記事だが、本当はこっちの記事の方が大きなニュースといえる。

映画のマーケティングを考えるとき、今や、劇場とDVD、ましてやダイレクトマーケティングとなるWEB配信などを一括でコントロールするウインドウ戦略なしでは、映画コンテンツ財の経済価値最大化はもはや無理なのだ。

以前のような、劇場で巨額のP&Aをかけてビデオで回収、さらにはテレビで多少の収益と次作のプロモーション、というウインドウ戦略ではコンテンツの最大化は難しい。

効率化という分社化による非効率への思いが、さすがに業界の中に広がってきているのであろう。

ましてや、ネット配信の時代になりつつある状況なのだ。相手は直接顧客だ。

このディズニーの組織再編は、もちろんコンテンツ財の一括マーケティングによる価値最大化戦略の一環だ。今後、さまざまな別の業界でも、従来のデリバリー構造をコンテンツオリエンティッドにシフトしていくことは避けられない。

ひとりの顧客を、劇場とDVDが取り合うというような無駄なことをやめ、Cに向けた連続性のあるコミュニティ・マーケティングにシフトしていくことはまさに時代のニーズである。

東京マラソンが行われた2010年2月28日は、メディアにおける革命の前夜かもしれない。

私がかねてから言っている2011年のマスメディア革命のデジタル3rdインパクトの前哨戦となるエポックな日がこの東京マラソンの日だったかもしれないと後で歴史が語るだろう。

メディアの変遷研究者にとっては、この日は特別な日になるかもしれないのだ。

NTVで中継をしていた東京マラソンだが、そのコンセプトは一般の人の大量参加による東京の街の発信。東京の観光地を巡るマラソンだ。

30万人の応募に対して、参加抽選に当たった人はわずか3万5千人。出たかった人も多かったことだろう。

マラソンは、現在のテレビコンテンツとしては有力なコンテンツ。ライブでドラマが起こるまさにテレビ的なコンテンツといえる。

そのキングコンテンツのテレビ放送に、今年の東京マラソンは、一般視聴者目線のCGMが共存した。

YAHOO!ニュースにもあったように、一般のランナーがiphoneを使い、Ustreamを使い、Twitterを使い実況中継を行った。しかも、走っているランナー自体が行ったものも多い。

まさに革命である。

一般市民のマラソンというコンセプトがCGMの格好のネタを提供したのだ。この事実は今後のメディアの動向に大きく影響を及ぼす。

2010年、CGMの勢いは止まらない。

吉田就彦

Authour:
株式会社ヒットコンテンツ研究所
代表取締役 吉田就彦

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