ヒットコンテンツブログ

吉田就彦のヒット学

  • HOME > 
  • 現在のページ:ヒットコンテンツブログ

2010年2月アーカイブ

22日に電通が発表した日本の広告費総額は、衝撃的な内容だった。

全体で6兆円弱。前年比11.5%のマイナス。テレビ、新聞、ラジオ、雑誌のマス4媒体はいずれも10%を超える減少。

もっともインパクトのあること事実が、初めてネットが新聞を抜いたことだ。新聞が、18.6%の減で6739億円。ネットは1.2%と若干の増ではあるものの7069億円。

実に衝撃的なニュースだ。

そんな中、民放大手ラジオ局は、番組の本格的なネット配信を3月15日に始めるというニュース、日経新聞では、日経新聞の電子版メディアを3月23日に創刊するニュース。メディアが動いている。

私は、デジタルによるメディア変革を、
1STインパクト1995年、個人の受発信の革命としてWINDOWS95の登場。
2NDインパクト2005年、コミュニティの革命でmixiのブレイク。
3RDインパクト2011年、メスメディアの革命で地上波デジタル移行。
そして、
4THインパクト2013年頃に、コミュニティマスの革命で、CGMとマスメディアの逆転
といっている。

現在の広告費の推移を延長してみると、ちょうど2013年頃に、ネットがテレビの広告費を逆転する様相だ。なので、4THインパクトの象徴的事件とは、まさにそのことになるのかもしれない。

それがまさにCGMとマスが逆転するエポックになるのだ。

もっとも、その時はまた、さらに広告費というものが総額5兆円をゆうに切っていると思われ、その減少分が販促費や研究開発費に回るのではないかと考えている。

それは、とにかく企業が顧客と近くなりたいことと、商品の良し悪しにより成果が決まるということに他ならない。

マーケティングの課題では、4PのPLACE、PROMOTIONの変化により、より深い顧客との関係性の構築と、PRODUCTSそのものが生命線ということなのだ。

さらに、今年はいろいろ起こる。

先日、世界的大ヒット映画「アバター」を見た。

この映画は当然、本格的3D映画として世界中にインパクトを与え、「タイタニック」を抜くスピードでヒットを続けている。

そんな「アバター」を見て思ったことがあった。
それは、ジェームス・キャメロンの「人間」へのメッセージだ。

この「アバター」では、自然や聖なるものや先住民のスピリチャルなものへのリスペクトはテーマで、それに対するキャメロンの思いを感じるが、もうひとつ強力に印象付けられていることがある。

それは、人間の「肉体」と「精神」ということ。
実際に映画は、同じ精神で、肉体を人間とアバターに切り換える話なのだが、その人間とはの問いかけがすごい。

主人公は元海兵隊。脊髄損傷で車いすだ。そんな彼が、精神をともにする惑星の先住民と同化して、さらには科学技術でのアバター利用ではなく、聖なる木のおかげで、完全に先住民となり生まれ変わり、精神と肉体を同化させることでストーリーは終わる。

これはまさに人間復興であり、精神の新たなる肉体での目覚めであるわけだ。その自由になれない自分の人間という傷ついた肉体を捨てて、同じ精神が、より素晴らしい肉体となる惑星の先住民と生まれ変わる瞬間に映画が終わる。

人間の精神が、新しい場所で、新しい肉体の中で覚醒するのだ。

こんな風に、いつもキャメロンは、人間というもののあり方を、CGや3Dといった最新映像技術を駆使して表現する。

しかも、それは新しい技術の技術広告ではなく、素晴らしい人間の物語を描くために使う道具として莫大だがひっそりと。

CGをふんだんに使って、巨額の費用を投入したディテールにまでこだわった「タイタニック」は、普遍の愛の物語。そして、新技術3Dを使った人間復興の物語「アバター」。

常に最先端のデジタル映像技術で「人間」というものを描いているのだ。

私は、今度出版される新刊「アイデアをカタチにする仕事術 ビジネス・プロデューサーの7つの能力」の中で、21世紀を「アートの世紀」とし、第3のルネッサンスがデジタル技術によって起こると書いた。

この映画「アバター」の大ヒットは、それを予見しているように思えてならない。

次回のTHE LOOSE&BEATのライブは3月14日(日)に決まった。

わがTHE LOOSE&BEATももう再結成して10年を超えた。
新コンセプトで絶滅危惧曲の数々と題し、70年代を中心にした懐かしいPOPS&ROCKを披露する。今年は映画で話題になったTレックスの20世紀少年も。私はベースD参加。

そして、新バンドでレギュラー入り。
ビートルズのコピーバンド「ヒートルズ」も再びパワーアップして登場。
私がポール役で、ヴォーカル&ベース。歌います。

今回は、70年アイドル美女軍団は参加しないが、昭和歌謡ショー「コンソメパンチ」も登場。
かなり濃い昭和の音楽の「音楽懐古主義!!4」

皆様、お立ち寄りください。
詳細は以下。

音楽懐古主義!!4
3月14日(日)17時30分会場、18時開演
atLIVECAFE BENTEN(弁天)丸ノ内線新中野
¥1800円+ドリンク別途¥500円

http://www.benten55.com/sche14/sche14.cgi#115

今日、大阪の広瀬香美のツアーコンサート最終日に行った。

先日の東京でのコンサートに行けなかったので、なんとか「香美別邸」にお呼ばれしたくて参加。

実はTwitter関連で最近親しくさせてもらっているが、やはりお互いに、歌手であり、元音楽プロデューサーであるのでライブを聴かなくてはとの思いで大阪まで行ってしまった。

歌がよかった。歌手なんだから当たり前だが。特に本編最後のクリスマスの曲や2曲目のアンコール曲でアカペラで歌った「愛があれば大丈夫」ではジーンときた。

まあ、音域の広さ、歌のうまさ、声の通り具合、高いところでさらに伸びる声質。本当にプロならではのものだが、やはりライブでの再現性は格別だ。本当に実力がある。プロの音楽家だ。

そして、感じた。本当に音楽はいいものだと。

今日の彼女のコンサートを聴いて、今日キャッチが浮んだ。

「広瀬香美は正々堂々である」

広瀬の歌は、音楽的に言っても変なギミックに逃げていなく輪郭のはっきりしている強いメロディ、詩もメッセージの明確なキャッチコピーのようなストレートでキャッチな言葉パワー、そして、パフォ-マンスは、ピアニシモ~フォルテシモまで思う存分な強弱の世界。

さらに、育ちの良さの言葉づかいから、ひざ蹴り、ヒール責めまでの自由自在なピアノワーク。

すべてに広瀬香美の「人間」が出ている。

広瀬香美は、今日のコンサートでも自らが言っていたアメリカでの多種多様な人間たちから学んだ「主張することの重要性とそこから生まれる自分への自信」を基に、人間として正々堂々と世の中に勝負しているのだ。

そんな彼女の音楽に勇気をもらっている人も多いことだろう。
最近、Twitterで彼女を知る人も多いだろうが、やはり広瀬香美のすごさはライブで実感できる。

今日、終わった楽屋で思わずハグしてしまった。

先日、NHKBSで放送されたユーミンの「MASTER TAPE」を本日やっと見た。

この番組は、今から37年前のユーミンのデビューアルバム「ひこうき雲」のマルチトラックテープを、ユーミンやレコーディングに参加したミュージシャンが改めて聴いてみるという番組。

私が昔やっていた音楽のレコ-ディングスタジオ内での会話のような番組で、見たかったので録画していたものだ。

そこにはまさに、私の音楽ディレクター時代の空気があり、とっても懐かしかった。

「ひこうき雲」に収録されているさまざまな楽曲の音を、時にはソロで、時にはコンビネーションで聴いて行く過程は、まさにレコーディング時そのもの。

それにしても、バックのティンパンアレイの面々は本当にうまい。とくに細野さんのベースは実にうまい。まあ当たり前と言っては何だが、本当に素晴らしい歌バックのベースで感心した。

楽曲それぞれに、編曲の味があり、その編曲を意味付ける特殊な楽器が随所に入っている。
素晴らしいアレンジだ。

意外だったのは、細野さんのガットギター。これがまたうまい。細野さんのガットギターとユーミンの歌だけのトラックを再生した曲があって(名前はわすれた)、それだけでも十分に音楽になっていた。

そして、ユーミンの歌。1年もかけて録音したというヴォーカルトラックは、私がやってきたような、トラックのつなぎで1本にまとめたトラックだということだが、これも十分に表現となっていた。

ご本人は歌にあまり執着と自信がなかったようだが、これは有賀ディレクターの努力の結果なのだろう。私もヴォーカルトラックのスイッチングの天才と呼ばれたことがある。

番組の最後のほうで、ユーミンが印象的なコメントを言っていた。
今は小さな部屋で打ち込みのような音楽ばっかりをやっていてかわいそうだね、というような内容。

それは、この「ひこうき雲」のように、スタジオをふんだんに使ったぜいたくな余裕でできた素晴らしい音楽との対比で音楽の豊かさに触れたユーミンの言葉だ。

打ち込みももちろん否定しないが、バンドで音楽を作りながらレコーディングした時代の豊かな音楽が、やはり懐かしさとともに、今もそうであればまた違う音楽ができるのにな、と思ってしまった。

37年を経て、今なお音楽が息づいている。
そこにユーミンの少女時代の空気がある。

ユーミンも言っていたが、その時の感覚と同居する奇妙な感覚があったらしい。
時代を超え、時を超え、記録ということは感慨深いタイムマシンへの入り口なのだ。

それにしても名曲が多い。

本日の日経新聞の最終面文化ページに、ピカソの「ゲルニカ」が紹介されていた。

私は、昨年の秋にスペインに行った折、マドリッドにあるソフィア王妃芸術センターに見に行った。その時の「ゲルニカ」の印象は「静けさ」。

もちろん背景も知っているし、そのメッセージの意味も理解している。
しかし、なぜか私の中にわき起こったものは「静けさ」だった。

およそ、戦争に批判を込めた作品には似ても似つかない心情だ。そして、今、このコラムを書かせているのは、新聞に載っている写真への違和感。

この違和感は実はその色にある。本物の「ゲルニカ」は、背景の色がおよそ白に近い灰色。しかし、新聞のそれは黒に近い。さらには、田名網さんの文章には、「画面全体を覆う陰影を、心の影としてとらえた「ゲルニカ」は、、、とある」

この文章を強調するかのような、事実とは違う黒い色。

私は、実際にゲルニカを見て、「静けさ」を思った。こころの深いところで「悲しみ」を乗り越え、怒りの先にある「祈り」のようなものだったのかもしれない。ピカソがどうであれ、それを感じた事実がある。

そのような感動は、やはり実際に本物を見てみないとわからない。
つまり、絵画鑑賞は、アナログ的な心の感動体験がすべてといってもいいわけだ。

今はTwitterの時代。今、今、今、である。今が重要なのだ。もちろん、その存在を否定はしないが、この「ゲルニカ」のように絵画は、その存在が時間を超越している。

そして、それは残念ながら情報という形では、そのメッセージを発信しきれないようだ。その意味をとらえるには、実際に足を運び、それに浸る時間が必要なのだ。

単に新聞の記事や、写真といった情報ではとらえきれないものが確実にある。

その情報というデータをいかに使うか。使うことによって、人間を出せるか、改めて、この「ゲルニカ」の記事を見てその必要性を感じた。

Twitterの「つぶやき」とは、情報そのものだけではだめなデジタルにおけるコミュニケーションの未来を示唆している。

やはり、「人間性」なのだ。
「人間性」のフィルターを通して初めて情報は意味を成す。

朝日新聞のシンガポール特派員メモによると、あのグローバルキャラクター「ドラえもん」がシンガポールで大変なことになっているらしい。

旧正月向けのマクドナルドのキャンペーンで、十二支に扮した「ドラえもん」のぬいぐるみを、1月1日から週に3種類ずつ店頭で売り出した際に、イスラム教徒への配慮から亥年にあたる豚をキューピッドに代えたことで大苦情の嵐が「ドラえもん」を襲ったという。

そもそもこのキャンペーンは、ほとんどの店で品切れになるほどの大盛況。大ヒットとなっている。しかし、亥年の子供たちから、「自分の干支がない」とか「十二支が全部そろわない」といった苦情が寄せられたのだ。

そのため、マクドナルドは地元の新聞に「心からおわびします」との謝罪広告を出す羽目に。その影響の大きさがうかがわれる。

人口の7割を占める華人は、自分の干支を大事にすることもあり、伝統文化への侵害と捉えられた面もあるようだ。

イスラム学者によれば、豚を食すのは禁じているが、豚のぬいぐるみ自体はイスラムの教えに反するものではないらしく、少し過敏にとらえ過ぎての騒動ということらしい。

シンガポールで「ドラえもん」が大変な目に会っているのだ。

私は、21世紀のビジネス環境の大きな変化を「デジタル化」「フラット化」「グローバル化」と捉えているが、その中での「グリーバル化」を考える時に、この「ドラえもん」の騒動は参考になる。

「グローバル化」でビジネスを考える時に、その対象の人の人種、民族、宗教、文化の違いをリスペクトして対応しなければならないと考えているが、そのことの具体的な方法をこの一件が教えてくれる。

そのリスペクトは一方的に見るのではなく、ある意味多面的、さまざまな角度から見なければならないという教え。

この「ドラえもん」の場合で言えば、イスラムから考えると同時に華人側からも考えなければならなかったということだ。それぞれは宗教も違い、さらには文化風習も違うからだ。

さらには、そのイスラムについてもより深く、その宗教観を調べれば、このような混乱を招かなかったということなのだ。

このケースではいかに、「グローバル化」でビジネスを世界に拡大させる時に、その国のさまざまなリスペクト対象に神経を使う必要があるかがうかがわれる。

そして、全く別角度から見れば、いかに「ドラえもん」がインターナショナルのキャラクターとなっているかを再認識させられた。「ドラえもん」のすごさゆえの騒動でもある。

吉田就彦

Authour:
株式会社ヒットコンテンツ研究所
代表取締役 吉田就彦

ブログメニュー

2011年4月

          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30

ウェブページ

OpenID対応しています OpenIDについて
PageTopに戻る