ヒットコンテンツブログ

吉田就彦のヒット学

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2009年8月アーカイブ

小学館と集英社が、フランスとドイツのDVD販売会社を買収して、現地法人の版権仲介会社と合併させる。

先日、フランスで行われたJAPAN EXPOでも、相変わらず人気だという日本のアニメを、その大本の権利元である、マンガ会社の2強社のタッグで、ヨーロッパの販売を拡大させようということのようだ。

本格的に参入する背景には、日本の市場の伸び悩みがあり、原作不在という映画コンセプトのリメイク等のコンテンツの2次利用化の動きもあるだろう。

いずれにしても、原作や発想、表現といったコンテンツの大本への需要の高さを反映させているとも言える。

そんな可能性の広がるアニメや日本のマンガの文化は、やはり、モノを作るクリエイターが潤沢に育ち、表現できることが必須になる。

その1次著作物なしには、コンテンツの繁栄はない。それも、これからは間違いなくグローバルコンテンツへと志向する若い世代の活躍が必要だ。

インフラ作りとして、箱物的なモノも必要だが、やはり勝負はその中身のソフト、それをプロデュースすることが求められている。

資金システム、配給システム、配信システム、、、さまざまな箱物的インフラの可能性はいたるところに開かれている。それらを見据え、クリエイティブとビジネスを統合する「プロデュース」という行為、その行為がこれからますます需要になるゆえんだ。

しかも、それらは、なにもアニメだけの話では無い。
あらゆる産業がクロスし、ファンクションを共同化、共通化、分配型にしていくこれからのビジネスに、「プロデュース」は必要なのだ。

本日の日経新聞「日本創造会議」は、米カリフォルニア大の星岳雄教授の記事が載っていた。

星教授は、破壊こそが経済の活力源ということで、失敗に学べていない日米のビジネス界に警告を発している。「ゾンビ企業」には市場から退出してもらうべきだとの指摘は、説得力がある。

その星教授が記事の中で、映画「フラガール」に描かれていた炭鉱からハワイアンセンターへと転換させた先人の努力を評価している。

いわゆる「創造的破壊」の象徴との見方だ。

炭坑の町の若い娘達は、フラダンサーとなり、炭坑の鍬をウクレレと換えたあの涙ぐましい努力、その努力を、その手法を、そして、その精神を、「雇用維持」ではなく「雇用創出」として捉え、「フラガール」に学ぶべきだと主張する。大学の講義でも見せているという。

私は、この映画のプロデューサー石原さんと以前、「音楽主義」の取材でお逢いしている。

彼女がこの映画に込めた想いには、星教授の指摘したポイントとは違うものがある。しかし、映画とは、見る人によってことなった解釈と発見がある、やはり優れた制作物であると思った。作り手が思わなかった広がりがあるということだ。

石原Pが込めた想いは、女性の、しかも、ダンスを教える元SKDの松雪さんが演じた年代の女性にエールをというもの。ご自分にも送りたいという意識もあったそうである。

仕事をがんばっている、しかし、モロモロの状況で、壁にもぶち当たり、炭坑から脱却したいという必死の企業側の想いや、若い娘達の想い、町の人々の再生への想い、それらの様々な人の思いを得て、本人も再生させられていくといういい話だ。

星教授は企業側の視点で、再生を見て、石原Pは、女性(人間)の再生劇をプロデュースした。

ともに、人間がなす技であることには変わりがない。
要は、人間がどう生きるのか、生かすのか、そして、その気になれるのかということだ。

選挙結果で、日本が大きく変わるかもしれない今、その人間の可能性を引き出す経済刺激策を期待したい。

若者の和菓子人気が回帰しているという。

本日の日経新聞の「エコノ探偵団」がその状況を分析していた。

バターやクリームなどの高カロリー菓子よりも、あんこなどのヘルシー素材が太りにくいとか、カリスマ・パティシエの流行が、新鮮なものとして写らなくなった事情とか様々な分析があった。

その中で、ちょっと面白かったのが、年中行事と和菓子の関係。

桃の節句と「ひしもち」、端午の節句に「かしわもち」、お彼岸の「おはぎ」と、日本古来からの季節とお菓子が密接に関係しているとこがわかる。

土用のうしの土用もちは、暑気あたりを避けるために食べられたり、季節感や、縁起担ぎ、収穫への感謝など、季節感やお供え、等の文化に和菓子が沿う。それが、今の若者に受けている要因のひとつなのではないかとの分析だ。

面白いと思った。家族や友人とのイベントに和菓子のストーリーを使って楽しむという感覚だ。
バレンタインのチョコと似ている。

今はまさに、ストーリーマーケティングの時代。

昨日、「音楽主義」の取材でお会いした「安藤竜二」さんの「サムライ日本プロジェクト」でもそうだが、商品にいかに面白く、人を引きつけるストーリーを作れるかが、商品ブランディング上も重要だとおっしゃっていた。

本来、そのストーリーが和菓子にはあるのだ。
当たり前なのは、日本の文化に根ざしているからだ。

そのようなストーリーに、おそらくコンビニのような手軽なデリバリーポイントが合致して、人気が回帰しているのではないかと思う。

最近の若者の傾向である保守的な一面が、これはいいところで出ているのかもしれない。

吉田就彦

Authour:
株式会社ヒットコンテンツ研究所
代表取締役 吉田就彦

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